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第2回 デジタルモデリング研究会 テーマ「情報の可視化技術」

第2回デジタルモデリング研究会は終了いたしました.
研究会の様子は報告書(PDF版)を参照ください.(現在,会員のみ閲覧できます)
図学研究 第50巻1号・2号(第149号)平成28年6月 p29-p30

第2回デジタルモデリング研究会を2015年度図学会大会(大阪)にて開催いたします.今回は『情報の可視化技術』に着目して,研究会を開催いたします.
数値シミュレーション結果やICT環境で日々蓄積される膨大で複雑な情報は,バーチャル空間上で三次元的に可視化することにより,数値では見えにくい情報の傾向を直感的に把握することが可能となります.可視化技術は医療分野でも活用され,これまでもX線CTの断層写真を組み合わせて3次元化すること=体内を可視化で,画像診断に活用されてきました.現在では,三次元データを3Dプリンタで実体化して施術計画を立てたり,あるいは三次元座標情報を人工関節置換術の支援に利用したりなどといった利用も進んでいます.
今回,情報の可視化技術分野の研究者や開発者にご講演頂きます.ご多忙中のこととは存じますが,多数のご参加をお願い申し上げます.
 

開催日時

2015年11 月 29 日(日) 13:30〜16:00
 

場所

大阪大学吹田キャンパス 銀杏会館
大阪府吹田市山田丘2-2
 

プログラム

講演1
オープンサイエンスを支える可視化技術
小山田 耕二
京都大学 学術情報メディアセンター教授
 
概要:
データを人間に認識させるためにコンピュータグラフィックスを使った可視化技術の重要性は多くの方に理解されている.オープンデータの時代になって,その基盤技術としてその注目度は高まってきている.
本講演では,大規模データから因果関係の発見を支援する可視化技術について講演する.因果関係を発見するには,まず,相関関係を統計的手法で明らかにし,そのうえで,順序性を明確化する.順序性の発見については,時間的なずれを導入した相関関係の分析や観測変数に影響を及ぼす潜在変数の対話的導入により,専門家による発見の支援を行う.さらに,議論や思索中において,想起した仮説について,対応するデータが存在するかどうかを効率よく判定する技術についても論点を提供したい.
 
講演2
人工関節手術におけるCT-データの3次元画像化
鬼頭 縁
アルスロデザイン株式会社 代表取締役
 
概要:
弊社は,人工関節手術用の器械開発をしています.
手術ナビゲーションの問題とシミュレーション器械:ナビゲーション手術の導入が望まれますが,赤外線マーカを骨にピン固定する侵襲が問題です.マーカが緩むと精度に影響します.価格が高額なため一般に普及していません.PC画面上に手術器械を登場させ手術シミュレーションして器械を調整しておくことにより,術中に計画を誘導できるシステムを開発いたしました.
カスタムガイド:CTデータから設計され患者に適合し計画を誘導する「3Dプリンタで製造した器械」が臨床使用されていますが,何らかの誤差によって骨に適合しないことがあるため,既存の手術器械もバックアップする必要があります.弊社のカスタムガイドは手術シミュレーション器械と骨との隙間を埋める設計のため,シミュレーションとカスタムガイドによる誘導の整合性を確認することにより精度が向上します.
3Dスキャナナビゲーション:器械に小型の3Dスキャナとジャイロセンサを搭載し,手術器械から膝関節部位の皮質骨を三次元計測することで,骨に対する器械の相対位置を把握し,補正情報を手術者にナビゲートするシステムを開発しています.

第2回デジタルモデリングコンテスト報告
デジタルモデリング実行委員会

参加費

無料