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造形デザイン系の図学教育における教材とその教育実践

第35回図学教育研究会のご案内

 
日時
2005年5月15日(日)13:00-15:30
 
場所
埼玉大学 総合研究棟 シアター教室
さいたま市桜区下大久保255
 
テー マ
造形デザイン系の図学教育における教材とその教育実践

図学は多くの学科で取り扱われていますが、本研究会では特に造形デザイン系 と建築系の教材を紹介していただくこと、そしてそれらをどのように授業や演 習で活用しているかを紹介していただくことを目的とします。これらの教材は、 造形デザイン、建築の学科だけでなく、他の学科でも有益な活用が可能と考え ています。

 
プログラム
13:00- 本研究会主旨について 近藤邦雄
13:00-14:15 セッション1: 造形デザインのための図法の教育

(1) 造形デザインのための図学 -造形図法-
森田克己 札幌大谷短期大学美術科

発表概要:
図形に対する理解力と造形に対する認識力を高めることは、造形デザインの創 作において大いに有効であるという指針をベースにし、造形デザインのための 授業を展開している。授業では、ある形を題材としたとき、具体的に造形化さ れた例を通してその関連について自ら探る姿勢を求めている。項目の1つとし て、造形デザインに関わりの深い螺旋をモチーフとした事例を中心に報告する。

(2) 美術大学における図学教育 -図法と絵画-
面出和子 女子美術大学芸術学部

発表概要:
美術大学における「図学」は、学生が実際に制作したり作品を批評するための ひとつの方法としても意味づけられる。この発表では、授業で使用している絵 画作品と図法の関わりについてのスライドを紹介する。

(3) 透視図の授業における教材資料と課題作例の紹介
神山 明、東海大学

発表概要:
 デザイン・芸術系の学生は、その興味・関心が作品制作に偏りがちであるた めに、制作と図学の関わりが感じられないと、授業そのものへの関心が薄くな りがちである。学生が、美術作品と図学の関わりを考えられるように、授業で 筆者が実践している、透視図に関する教材資料と課題作例を紹介する。
 
14:30-15:30 セッション2:建築系学 科におけるデザイン教育

(4) CAD・CGを利用した空間デザイン表現の演習教育
下川雄一・川崎寧史・宮下智裕(金沢工業大学 環境・建築学部建築系)

発表概要:
「空間メディア」は金沢工業大学建築系の3年生を対象とした演習授業科目で ある。この科目は空間デザインの制作に対するCAD・CGの利用に加え、さ まざまなプレゼンテーション技法の理解と操作技能の習得を目的としている。 2004年度の授業では空間デザインに対するより高度な表現技法の教育を目指し て、新しいソフトウェアの環境整備やステップアップ型の課題制作カリキュラ ムを試行した。以上の取り組みや教育効果などについて報告する。

(5) 建築設計演習の初期段階における具体化のプロセスに関する一考察
阿部浩和 大阪大学  サイバーメディアセンター 

発表概要:
日本の建築設計教育は一般に設計演習(設計製図)という形で実施されてき ている場合が多く,近年大学院まで含めた設計教育の拡充が進んできている. また設計演習の内容にいても,これまでの設計条件提示型の演習に加えて,地 域支援課題やインターンシップへの参加を単位認定とするもの,インターネッ トを用いた遠隔地コラボレーションによる設計など,様々な試みが報告されて いる.これらは設計の行為が,単に机上の問題ではなく,現実の社会に直結す る内容であることを再確認させる上で有効な手段であると考えられる.しかし 一方で学生の設計技量においては,図形化力や空間認知力の欠如,スケール感 の欠如の問題とともに,「プレゼンテーションの話はわかるが作品としての表 現不足,設計スピードの遅さ」などが指摘されている.ここでは,学生の建築 設計演習の初期段階における具体化のプロセスを考察することで,建築設計演 習課題設定のための基礎的要件を検討する.