日本図学会第6回デジタルモデリングコンテスト
日本図学会第6回デジタルモデリングコンテスト実施結果報告
第6回デジタルモデリングコンテスト実行委員長
西井 美甫(Yoshiho NISHII)
西井 美甫(Yoshiho NISHII)
2012年12月に開催された「日本図学会秋季大会」の開催に合わせ、日本図学会第6回デジタルモデリングコンテストを実施した経緯、結果を報告する。
図1 コンテスト風景1 | 図2 コンテスト風景2 |
開催の目的
日本図学会は、立体的な機構や構造物などに関するデジタルモデルコンテストを開催した。このコンテストの目的は、機構を持つ立体的構造の考察や立体的な発想による立体形状の製作をラピッドプロトタイピングを用いて製作支援し、作品発表の場を提供することや、コンピュータを用いたデジタルモデリング技術の普及である。募集の対象は、複雑な機構や構造を持つ、建築、工業デザイン、デジタルアート、アルゴリズムの可視化までの幅広いジャンルの3次元デジタルモデルである。
審査基準
通年の審査基準では、これまでの技術では、製作することが困難だった複雑な機構や幾何学的図形を実体化するなど、粉末積層造形装置を利用することによって実現が可能になった立体構造の新規性を評価したが、今年度は作品点数が2点と少なく、応募作品の取り組んだ内容が賞賛に値することから、奨励賞とすることを審議した。12名の実行委員会の承認を得て奨励賞を授与することとした。作品の応募
2012年6月1日 〜 2012年11月12日コンテストの応募は、当初9月30日が締め切りであったが、締め切り間近で例年を下回る応募数であったため、更に期間を延長し、最終的に2件の応募があった。
審査結果
今年度は、奨励賞とした。図3から図6に受賞者が作成した展示ポスターと出力した作品を掲載する。奨励賞 | 3次元Turing Pattern | 牧真太郎 |
奨励賞 | Leonardo da Vinciのアイデアをもとにした羽ばたき機械模型 | 牧園 将大 竹之内 和樹 |
まとめ
応募数を増大させるための対策としてコンテストの実施時期と広報体制に関して早期検討が必要である。また審査基準も議論を重ねたい事項である。明確な審査基準を設けることでコンテストの目的をより明確に提示でき、それに因って応募数の増加につながるのではないだろか。現状の広報手段に関しては、日本図学会公式サイトにて過去の入賞作品のパネルと3Dプリンタで出力したモデルの写真を掲載し、図学会Facebookグループにて今年度の展示作品を掲載し、作品コンセプトと展示作品を公開することで認知度を上げる対策を講じている。さらに、昨今様々な分野で急激に3Dプリンタの話題が持ち上がっていることから、2013年度日本図学会春季大会「図学教育研究会」の枠で、3Dプリンタとモデリングのことを取り上げることを検討することとなった。今後、前述に挙げた検討事項についてMLにて活発に意見交換をしていきながら方向性を見出し、より活気あるコンテストになればと思う。
本デジタルモデリングコンテストに、多大なる協賛をいただいた株式会社アルテックに深く感謝する。
図3 3次元Turing Pattern | 図4 Leonardo da Vinciのアイデアを もとにした羽ばたき機械模型 |
図5 3次元Turing Pattern | 図6 Leonardo da Vinciのアイデアを もとにした羽ばたき機械模型 |
図7 参考出展:歴代入賞作品 |