日本図学会第4回デジタルモデリングコンテスト
日本図学会第4回デジタルモデリングコンテスト実施結果報告
第4回デジタルモデリングコンテスト実行委員会 委員長
近藤邦雄 Kunio KONDO
近藤邦雄 Kunio KONDO
2010年8月に開催された,「図学国際会議」の開催に合わせ日本図学会第4回デジタルモデリングコンテストを実施した経緯、結果を報告する.
・開催の目的
日本図学会は,コンピュータを用いたデジタルモデリング技術を普及させるために,立体的な機構や立体的な造形物などに関するデジタルモデルコンテストを開催した。このコンテストは、メカニズムの立体的な構造の考案や立体的な発想による立体形状の製作を支援し,作品発表の場を提供すること,コンピュータを用いたデジタルモデリング技術を普及することを目的とした.募集の対象は、複雑な動きを持つ対象,建築,工業デザイン,デジタルアート作品までを含めた幅広いジャンルの3次元モデルなどである.・審査基準
これまでの技術では製作することが困難だった複雑な機構や幾何学的図形を実体化するなど,積層造形装置を利用することによって実現が可能になった立体構造の新規性を評価する.審査は実行委員会の11名によって行った.・作品の募集
2010年12月1日から2010年4月15日までの期間に募集を行い,14作品の応募があった.審査結果
入賞・入選作品、受賞者を以下に示す。 今年度は最優秀賞1件、優秀賞2件、入選が3件であった。図3から図8に造形結果を示す。また、図9から14に受賞者が作成した展示ポスターを掲載する。最優秀賞 | 3シルエット立体 WHO and HOW | 大神智洋、杉原厚吉 |
優秀賞 | 変身する踏み台 | 相沢貴子 |
優秀賞 | サンカク・パズル | 山本麻由、山口みなみ、 Mussault Mattis, 安藤直見 |
入選 | hexagon | 今井久嗣 |
入選 | 正四面体の連結から生まれる形 | 町田芳明,新里浩司 |
入選 | 原子モデル | 新里浩司 |
(図3 3シルエット立体) | (図4 変身する踏み台) | (図5 サンカク・パズル) |
(図6 hexagon) | (図7 正四面体の連結から生まれる形) | (図8 原子モデル) |
まとめ
今年度のコンテストでは、立体造形のアイデアの独自性、立体形状のユニークさ、さらに立体の動きの機構の精密さなどが高く評価できる作品が多かった。昨年までの作品とは異なった分野の作品も多く見られた。さまざまな分野に立体造形の活用が広がったことを示しているといえる。また、図学国際会議で展示したことから、多くの海外の研究者にも見てもらえたことは日本の図学会の活動を知ってもらう良い機会であった。本デジタルモデリングコンテンストに多大なる協賛いただいた(株)アルテックに深く感謝する。