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日本図学会第13回デジタルモデリングコンテスト

第13回デジタルモデリングコンテスト実施報告


実行副委員長       
西井美佐子 Misako Nishii

COVID-19の感染拡大防止の観点から,図学会大会がオンライン大会となったことから,併催する本コンテストも,大会のオンライン会場にて,プレゼンテーションを実施した.
コンテスト受賞作品を掲載する.
 

審査基準   

コンテストは,機構を持つ立体構造の考察,立体的な発想を喚起することを目的し,以下のような審査基準を設けます.
  • 発想やモデル製作を考慮した3次元データ構築及びデータの造形力を総合力で評価します.
  • これまでの切削技術や一体成型では製作することが困難だった複雑な機構や幾何学的図形を実体化するなど3Dプリンタを利用することによって実現が可能になった立体構造の新規性を評価します.
  • 教育・資料用作品は,図学,造形,設計,製図・加工の機械工学など,教育分野で教材として効果的利用法が見える3D立体モデルを評価します.
この基準をもとに下記の4項目を評価します.
  • 発想
  • 3次元データ構築
  • 造形デザイン
  • 新規性
  • 教材としての効果的利用法
 

各賞

最優秀賞:原則1件
優秀賞:原則1件
審査員特別賞:若干数

 

審査結果

受賞一覧
最優秀賞 四方継手 ―ダイヤモンド格子型のジョイントシステム― 木島凪沙(東京大学)
舘知宏(東京大学)
優 秀 賞 該当なし  
審査員特別賞 超不可能立体「同心3円と交差3円」 杉原 厚吉(明治大学)
審査員特別賞 キッズフェイスシールド ―遊戯療法の感染対策の実例として― 田代雄大(九州産業大学)
加藤大地(九州産業大学)
光貞遥(九州産業大学)
山田桜(九州産業大学)
 
最優秀賞
 

審査員のコメント

  • 一つの基本構造から,三つの異なる継手が考案されているのは興味深い.
  • 3種類のブロックの組み方を提示することで教材の発展形としても利用価値が高いのでは.3つの違いがもっとはっきりするとさらに良くなる.
  • 先端の三次元造形による日本の伝統的木造建築に用いられる・継手・仕口の仕組みの現代版のダイヤモンド格子型ジョイントシステムには興味をそそられる.ただし,考案したジョイントシステムがテーマであると思われるが,特筆点を動的に詳細に示されていなかったのが残念である.
  • 提案されたブロックを用いた具体的・効果的な作品を期待したい.
 
審査員特別賞
 

審査員のコメント

  • 立体考察を重ねて制作されており,発想・新規性とともに優れている.従来の不可能立体と異なり視点位置が変わっても同じような形状が観察できるという,非常に画期的な作品である.理論的に設計できた不可能立体ではなく,観察により発見できた点で,偶然の発見の内容が大変興味深いがその理を今後説明できると、大きな発展が期待できる.
  • 提出作品を実際に制作した作品としてはっきりとした形で見られなかったのが残念である.
 
審査員特別賞

審査員のコメント

  • コロナ禍に見合う面白い課題であり,教育的効果も得られていると思う.
  • 学内の臨床心理センターで行われる2歳児から小学生の子供に利用させるキッズフェイスシールドを喜ぶ子供達に着用させ遊戯療法に用いる協調体制とその用具の製作は素晴らしい取り組みであるとともに作品としても評価のできる物である.
  • 3次元データ構築や設計部分のプロセスが今回知ることができなかったのが残念である.社会的にも有意義な作品だと思われる.

謝辞    

実行委員長 松田 浩一
コンテスト開催に関わった大会実行委員の皆様やスタッフの皆様,デジタルモデリング研究会の担当委員のご協力によって,今年度もトラブルなく実施することができた.この場を借りて御礼申し上げる.