日本図学会 > 日本図学会論文賞 > 収縮変形を加えた曲面メッシュ生成手法の提案--キヌガサタケの網目構造を題材として--

第10回日本図学会論文賞選考結果報告
論文賞選考委員会

 第10回日本図学会論文賞選考委員会は,2013年および2014年の『図学研究』に掲載された研究論文から,論文賞にふさわしい優秀な論文の選考を行った.まず,選考委員会は,編集理事および編集委員に,候補論文に対して順位付けを呼びかけた.その結果に基づいて,選考委員会はもっとも評価の高かった下記の論文を候補として選定し,理事会で報告して承認された.

2014年度第10回日本図学会論文賞(研究論文賞)

高橋 優輔,館 知宏,横山 ゆりか収縮変形を加えた曲面メッシュ生成手法の提案

─キヌガサタケの網目構造を題材として─

選定理由:

 本論文は,自然界に存在するもののかたち,とくにキヌガサタケのもつ菌網の構造に注目した点が独創的であり,その形態構造を精緻に分析したうえで,近似形状を生成するシステムを考案した点に発展性が認められる.また,ものづくりを支える基礎理論としての図形科学の発展に寄与する興味深い研究である.ただし,3次元モデルとして再現する手法を具体的に示しているが,未だ未完成と言える部分も残していることは課題とすべきであろう.しかしこのようなテーマに意欲的に取り組む態度に対して,図学の将来を期待するものである.